知っておきたいお酒とがんの関係
■酒は百薬の長か、はたまた体に毒か
晩酌という言葉がありますが、仕事を終えた後、自宅でお風呂上がりにプシュッと缶ビールの蓋をあけ、ぐびぐびっと飲む瞬間がたまらない!
確かに、1日のストレスがすーっと消え去っていくようで、かなり魅力的なものではあります。
その一方で、飲み過ぎの傾向が有る友人や家族に、「体に悪いよ」とアドバイスをした経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
酒は百薬の長とも言いますし、どうやら、お酒には二面性があるようです。
今回は、オトナなら知っておきたいお酒とがんの関係についてお話しします。
■お酒の効用
お酒の第一の効用は、やはり、リラックスできることでしょうか。適量のお酒は、交感神経の緊張をゆるめ日頃のストレスから解消してくれます。
お酒をおいしく頂いた夜は、ぐっすり眠れて、すっきりしたという経験は、誰しもお持ちではないかと思います。
そのほかに、末梢の血管を広げて全身の血行をよくします。特に冬場は、お酒を飲むと手足の先がぽかぽかしてきますね。腎臓の血流もよくなるために、尿の量も増え、体から老廃物が体外に排出されていきます。
このように、酒には、まさに百薬の長と呼べる作用があります。
ただし、ナイトキャップとしてのお酒は、要注意。お酒には依存性がありますから、どんどん量が多くなり、過度の飲酒は覚醒作用がありますので、眠れなくなっていきます。睡眠障害には、お医者さんに相談して睡眠導入剤の服用も検討することをおすすめします。
■飲酒とがんの関係
お酒の主成分であるアルコールは、体にとっては、やはり毒になります。飲酒とがんの関係を調べた研究によると、お酒が最初に通過する部位(口腔、喉頭、咽頭、食道)のがんや、お酒が分解される肝臓におけるがんが発生しやすいということが明らかになっています。
これは、アルコールが分解される過程で出てくるアセトアルデヒドが発がん性を持つためだと考えられています。
楽しいお酒も、飲み過ぎると体に良くないというのは、今や、科学的にも実証された事実といえるでしょう。
■お酒を楽しむための工夫

私の外来でも、患者さんにお話するのは、次の3点です。
1.適量を守り、休肝日を作る。
適量というのは、人によって異なりますが、標準的には、1日日本酒で2合程度、週に1〜2回は飲まない日を作るということをおすすめしています。
1日飲まないということは、48時間、アルコールにさらされない時間を作るということで、肝臓の再生を助けます。アルコール性肝炎から肝硬変、肝臓がんへと進行させないためには、飲酒量もさることながら、休肝日の設定が大切です。
2.惰性で飲まない
仕事上でのおつきあいや、職場での歓送迎会などで頂くお酒は楽しく有意義なものです。ただ、家に帰ると必ず、プシュッ!という、いわば惰性で飲むお酒を避けることは、意外に簡単にトライできます。「癖や惰性で飲むお酒はもったいないですよ」とお話ししています。
3.禁煙する
喫煙しながらの飲酒は、発がんのリスクをあげるという報告があります。もちろん、喫煙は、お酒と違って百害あって一利なしです。「酒もタバコもダメというのなら、生きている意味がない」ということは無いはず。人生、もっと楽しめることがたくさんありますよ!
なんと言っても、人生を楽しむためには、やっぱり、健康が第一。これらのことに注意しながら楽しくいただく適量のお酒は、きっと生活に彩りを与えてくれるでしょう。
引用:
All About